「私の執事様」
朝は、コーヒーの香りで目が覚める。
我が家には目覚まし時計が存在しない。何故なら私には、目覚まし時計なんかよりも、よっぽど頼りになる執事がいるから。彼に任せておけば、私は寝坊などしないのだ。
「お嬢さま、おはようございます。朝食の準備が出来ております」
ドア越しにそう言うのは、私の執事の佐伯。私が目を覚まし、着替えてそのドアを開けるまで、ドアの前から梃子でも動かない。覚醒し始めた頭を無理やり起こして、昨日のうちに佐伯が用意していてくれた洋服に着替えた。そうして、朝食を摂りにダイニングへと向かうのだった。
佐伯は、数年前から私の身の回りの世話全般をしてくれている。彼がいないと私は生きていけないほどに、彼にお世話になっている。何をさせてもそつなくこなし、私に文句を言わせたことなどただの一度もない。私の毎日のルーティーンを私よりもよく熟知しており、私よりも私の機嫌を取るのが上手い。彼にかかれば私なんてきっと子猫同然だろうな、と思うほど私はちょろいと我ながら思う。どちらが飼い主か、たまにわからなくなる。
ぴょん初のアンソロジーが出ました!わーい!
「執事が出ていればどんなものでも構わない」をお題に6人の文字書きが描く様々な執事ストーリー。主従関係がストライクゾーンな方には本気でお勧めします!
参加者
無月彩葉さま(@10bo72ok)
ダーハナさま(@dadadadahana)
みたかさま(@hitomi_no_tsuki)
東雲さま(@Tanzanite__Blue)
ゲストさま
ぴょん
ほんでもって素晴らしい表紙を担当してくださったのが、ぴょんの尊敬してやまないフォロワー様、星の岬かずま様(@K_hoshinomisaki)。素晴らしすぎるのよ……。
皆様に支えられて完成した自慢のアンソロジーです!ご興味のある方はぜひ……!
BOOTHにて販売中です。
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